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【DQ3】勇者アニス伝説外伝 投稿者:ビクター 投稿日:2008/09/02(Tue) 01:19 No.3899 
【外伝】勇者アロン伝説Episode-03『砂に埋もれて』(仮)


 独りには慣れていた。
 それは自ら進んで選んだもの。今この場においても後悔などありはしない。
 いや、余計な事を考えるな。
 今は一歩一歩落ち着いて進むのみ。決して慌ててはならない。心を鎮めて動揺を消し、はやる気持ちを抑えて理性的に行動すべきだ。
 それなのに気がつけば自己の理念を再確認しているとは。動揺を抑えていたつもりが、まだ抑えきれていなかったようだ。
 俺もまだ甘い。
 波ひとつ無い鏡面の如き水のような、冷気纏う冷ややかな氷の静寂のような、そんな心構えが今の俺には必要だ。
「…………いや。余計な事は考えるまい!」
 情けない自分を認めながらも、だからこそそれに負けられないという想いが、頭によぎった雑念を振り払う。
 かざした盾の影から空を見上げる。空には偉大なる太陽が活き活きと輝いていて、砂の大地には焼けた空気と焼かれる俺が存在するだけだった。
 そんなイシスの砂漠で、俺は水を失った。

 不覚だったとしか言いようが無い。
 すでに一度越えている事が油断を誘ったか、俺は初めて砂漠を渡ろうとした時ほど準備をしていかなかった。
 それでも砂漠において水は最重要アイテムだから、余分に持った。
 しかし旅には不測の事態というのが常に付いて回る。どんなに気をつけていようとも、予期しない角度から必ずやってくる。
 それを忘れていた俺の落ち度だ。

 アッサラームを出た後、俺は順調に砂漠を進んでいた。
 照りつける太陽の輝きに辟易しながら、急激に下がる凍えるような夜の冷たさに耐えながら、それでも予定より早く進めていた。
 足が沈み込む砂上の戦いも、敵の動きの一手二手先を予測することで動作の鈍りを補い、呪文を有効に使いながら、いつものように敵を倒した。
 しかし砂漠に入ってから幾度目かの戦いに関しては、運が悪かったとしか言いようが無い。
 戦闘中、流砂が発生して俺は足を取られた。待ち受ける砂の墓穴へと滑り落ちようとする自分の身体を逃がそうとすることで精一杯だった。
 そして相手をしていたモンスターが火炎ムカデ。実に不運だ。
 吐き出された炎は、流砂から逃れようとしていた俺を襲った。何とか直撃は逃れたものの、背に負っていたバッグのベルトがやられた。ベルトが千切れたバッグは砂の渦に巻き込まれ砂地獄の底へと消えた。
 幸いにして落ちた荷物は砂漠越え用に準備したもののみで、普段持ち歩いている荷物は無事だったが、水を失ったのがとにかく大きい。
 残り半分の行程を、今はただ一歩一歩確実に進むだけ。俺に出来るのはそれだけだ。
 しかしどこまでも続く熱砂を前に湧き上がる絶望感は、いかにしても抑えることは出来そうにもなかった。
 今日もまた、太陽は輝いている。

「…………」
 水を失ってから五日。背に肉薄する死を感じながら、俺はまだ熱砂の上を歩いていた。
 いくつかの条件を揃えた上で昼夜の温度差を利用すれば、カップ半分くらいの水はなんとか作る事は出来る。サボテンも見つけた。手持ちの食料にフルーツがあったのも幸いした。
 しかしまだ足りない。足りないが、それらが俺をここまで生きながらえさせているとも言える。
 水だ。食べ物はある。水なんだ。水、水、水、水、水……。
 延々と熱砂の中に突っ込んだ足は熱病にかかったような温度になっている。そのせいか足元にいまひとつ感覚が無く、歩いていてもフワフワとおぼつかない。歩きながら、たまに意識が飛んでいる時もある。ゆらゆらと揺れる砂だらけの風景に平衡感覚さえ狂ってくる。もう自分がまっすぐ歩いているのか、目的地へと進んでいるのかさえ分からない。
 水を失った絶望的な状況で、俺はさらに方向感覚さえも失っていた。
 しかし歩かなければならない。この場に留まって事態が好転することなどありえない。だから進む。
 俺には使命がある。それを果たすまで絶対に死なない。
 例え可能性が0パーセントになろうとも、そこに1パーセントの可能性をこじ開けてこそ真の勇者だ。
 死んでも俺は生きる。

 ――砂。
 何故か砂が目の前にあった。地面が縦に見える。僅かに開いていた口を閉じようとすると、入り込んでいた砂がそれを邪魔した。
 ――?
 手があった。砂に半分埋もれていて、小さな山になっている。
 ――誰の手だ?
 目の前の手は自分の意志では動かない。とても自分の手に似ているが、どうやら違うらしい。
 ――ああ、人食い蛾が来た。戦わなくては。
 揺れる熱砂の上をゆらゆらと飛ぶモンスターのその遠い遠い先に、青々とした葉を生やして聳える木々が確かに見えた。
 ――なんだ、オアシスまでもうすぐじゃないか。さあ、はやくモンスターを倒して水をたらふく飲んでやるぞ。
 着くなり、裸になってオアシスに飛び込む自分を想像すると、自然に頬が緩んだ。
 ――あと少し、あと少しだ。剣を取れ、敵を見据えろ。さあ、来い。俺は勇者アロンだ。

ビクター > なんだか最近全然この掲示板が動いてないので、久々に書いたアロン伝説のEp03を投下してみました。誰かまだ見てるのかなあ? (9/2-01:21) No.3900
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勇者「おい賢者… 投稿者:愛のVIP戦士 投稿日:2008/06/08(Sun) 21:21 No.3883 
賢者「えっ…あ、あの…あたし?」
勇者「あのさぁ、…マジなんでお前レベルあがんないの?」
賢者「そ、そんなコト言われても…」
勇者「もうさ、お前立派な賢者なワケじゃん?いつまでも遊び人気分でいられちゃ困るんだけど」
賢者「で、でも、あたしちゃんとした職業やるの初めてだし、まだちょっと要領とか…」
勇者「言い訳すんじゃねぇよ!!!!!!」

勇者「…」
賢者「…何で…ひっく…そんなの…ずるいよ…いまさら…」

僧侶「ま、まぁ勇者も落ち着いて、賢者ちゃんも泣かないで…」
賢者「僧侶ちゃん…ひっく…」

僧侶「その…賢者ちゃん…よく聞いてね…。…あたしも、レベル上がらない時期とかあって大変だった時あったんだけど、…その…」
賢者「うん…」
僧侶「…自分の中でね?意識変えないと、変わんないと思うよ?もう少し周りのみんなの役に立ちたいとか…わかる?」
賢者「…うん…」


武道家「わかってないよアンタは」
僧侶「武道家ちゃん!!!!」
武道家「わかったフリしてるだけだよソイツは。何もわかっちゃいないよ」
僧侶「武道家ちゃん、賢者ちゃんは頑張ってるよ、そんな言い方しちゃダメだよ」
武道家「わかるんだよ。甘えてるだけなんだ。もっと厳しくしてやれば嫌でも覚えるようになる」
僧侶「ちゃんと言葉で説明すれば理解できるよ、そんなコトしちゃダメだよ」
武道家「口で言ってもわからないさ。来い賢者!!性根叩き直してやる!!」
賢者「!!」


僧侶「ちょっと!!」
武道家「何さ?ああん?アンタあたしのコト止められるとでも思ってんの?」
僧侶「…武道家ちゃん…言っていいことと悪いことがあるでしょ…?」
武道家「…なにぃ…?」

勇者「…まぁとりあえず二人とも落ち着け」
武道家「…」
僧侶「…」

勇者「別にお前らが争うコトじゃない。…それに、僧侶だって賢者が今のままじゃよくないって思ってるんだろ?」
僧侶「…それはそうだけど、でも急にレベル上がるとかは無理だから、じっくり時間をかけて…」

勇者「…なぁ、賢者…」


賢者「…」
勇者「みんなお前がレベル上がらないことについては同じ意見なんだよ。上がってもらわないと困るんだよ。わかるか?」
賢者「…だけど…」
勇者「…」
賢者「…」
勇者「…だけど…何?」
賢者「…」
勇者「言いたいコトがあるなら、言ってくれよ」
賢者「…」
勇者「…黙ってたってわからないよ。なぁ…」



賢者「…あたしは…」
勇者「…」
賢者「…あたしは…別に賢者になんてなりたくなかった…」

勇者「…」
僧侶「…」
武道家「…」

賢者「…ずっと…遊び人のままでよかったんだもん…みんなに守ってもらいながら…踊って…」
ダンッ!!!!!!
賢者「!!」
勇者「…僧侶…」

僧侶「…ごめん。ちょっと一人にさせて…」

賢者「…あの…」

勇者「…」
武道家「…なぁ賢者…アンタ何様なの?」
賢者「え…?」

武道家「…僧侶はさ、前々から…賢者になりたがってたんだよ…」
賢者「あ…あ…」

武道家「勇者とモメてるの見なかった?ああそっか、アンタ踊ってたもんね。知らないよね。教えてあげるよ」
勇者「…」


武道家「悟りの書があるからさ、一人賢者になれるじゃん?でも勇者がベホマ覚えるまで待ってくれって。回復が中途半端にならないようにって」
勇者「…」
武道家「僧侶がベホマ覚えるまでには、賢者もある程度一人前になるから待ってくれってね」
勇者「…」
武道家「わかる?わからないよね?本音はあたしも勇者も半分どうでもいいんだよアンタのコトなんて。でも僧侶がかわいそうじゃん?早く賢者になりたいのに、おあずけ喰らってさ」
勇者「おいおい…」
武道家「何よ?この際はっきり言ってあげた方が本人の為よ」

賢者「…うぅ…」



武道家「何?泣けば済むと思ってんの?泣いてる間にやることあるでしょ?勉強しなさいよ!!!!僧侶に謝りなさいよ!!!!何が遊び人のままでよ!!!!ふざけるな!!!!」
賢者「ふぅえ…うっく…っく…」
武道家「早く僧侶のところに行ってきなさい!!!!」
賢者「…う、うぅ…」
タッタッタ…


武道家「…ふんっ」
勇者「…悪いな、悪者やらせちまって」
武道家「別に。思ったこと言っただけよ。…多少こたえてくれれば怒った甲斐があるんだけど、どんなもんかしらね」
勇者「…ありがとな」
武道家「…何度も言わせないで、勇者に礼を言われるコトじゃないわ」

賢者「…(あ…)」

僧侶「…」
賢者「…(うっく…謝らなくちゃ…うっく…涙が止まらない…)」

僧侶「…」
賢者「…(どうしよう…しゃっくりも止まらない…うっく…)」

賢者「ん…あの!…うっく」
僧侶「う…賢者ちゃん?」
賢者「あ…(僧侶ちゃんが泣いてる…)」
僧侶「…どうしたの…あたし…、…一人にしてって…」
賢者「あの…ごめんなさい!!あたし、僧侶ちゃんの気持ち全然…」
僧侶「…」
賢者「…ごめんなさい…お願いだから許して…お願いだから…」
僧侶「…賢者ちゃん」
賢者「!!はぃ…」
僧侶「…勇者から聞いたの?あはは…そっか…」
賢者「…本当にごめんなさい…」
僧侶「ううん、謝らなくていいよ!…それに、逃げたのはあたしの方だし」
賢者「ふぇ…?」


僧侶「…ごめんね。あたし、自分の中でどうしても押さえきれなくなって…」
賢者「そ、そんなことないよ!!…あたしが悪いんだもん…」
僧侶「ううん、違うの。…賢者になりたいなんて、あたしのワガママだってわかってるの。…だから、あたしがこらえなきゃいけなかったんだよ…」
賢者「ち、違うよ!!あたしが勉強しないから…」
僧侶「…ごめんね…つらかったでしょ…武道家ちゃんにキツく言われたでしょ…ごめんね…あたしが守ってあげなきゃいけなかったのに…」
賢者「僧侶ちゃん…ふえ…ふええぇぇぇぇん!!!!」


勇者「…あ」

賢者「…グスッ…」
僧侶「…ほら、しっかり!」

賢者「…あの…」
勇者「ん?」

賢者「その…今まで勉強とか…あまり…できなくて…ごめんなさい…うっく…」
勇者「できなくて、じゃなくて、やらなくて、だよな?」
賢者「はい…」
勇者「それで?これからはどう変えていくんだ?」
賢者「その…僧侶ちゃんに色々教えてもらいながら、順番に覚えていきたいと思ってます…」
勇者「…」
僧侶「あたしが賢者ちゃんに教えていきます」
勇者「…はぁ…」
僧侶「…」
賢者「…」

勇者「…まぁ、僧侶ならちゃんと教えられると思うし、大丈夫だと思う。…要領つかむまで、お願いしていいか?」
僧侶「はい!!」
勇者「賢者」
賢者「!!はぃ…」

勇者「僧侶にしっかり教えてもらうこと!!いいな!!」
賢者「はい!!」


武道家「…(全くあまあまだな…)」


翌日

僧侶「さて!!今日からしっかり勉強してもらうから、覚悟してね!!」
賢者「はい!!先生!!」
僧侶「先生って…な、なんか恥ずかしいけど、よーし!!頑張って、まずはホイミから覚えるよ!!」
賢者「はい!!」

勇者「……」
武道家「…!!…!!!!」

僧侶「なんだろ…勇者たち…モメてるのかな?」
僧侶「あ…こっち来た」


勇者「…今からアリアハンに行くぞ…」

アリアハンにて


僧侶「ちょっと勇者!!!!!!ちゃんと説明しなさいよ!!!!!!!!」
勇者「だから…」
武道家「勇者…お前最低だぞ…この間の件はともかくとしても、今回は許せん!!」

賢者「…あ、はは…」

僧侶「賢者ちゃんを外すってどういうことよ!!!!!!!

勇者「…」
僧侶「ハアハァ…ふ、ふざけないでよ!!!!!!何でよ!!!!!!!!ふざけるな!!!!!!!!」
賢者「そ、僧侶ちゃん…もういいよ…あたしは平気だから…ね?」
武道家「僧侶、落ち着け。あたしも同じ気持ちだから。とにかく勇者、説明しろ」
勇者「その…、ルイーダに新しい奴が入って、そのな、遊び人なんだが、既に賢者になれるレベルなんだよ」
僧侶「だから何なの!!!!!!その人入れて賢者ちゃん外すっていうの?!!!!!!」
勇者「…」
僧侶「ハアハァ…、…あ、呆れたわ。あなた、とんでもない外道ね。じゃあ昨日怒ったのは何だったのよ!!!!!!」
武道家「…勇者、まだ今なら間に合う。だからもう一度考え直せ。」
勇者「…」

賢者「あ、あの!!」

賢者「あたしは、いいです」
僧侶「賢者ちゃん…」
武道家「…賢者、アンタの気持ちはありがたいけど、アンタだけの問題でもないのよ?あたし達が許せないの」
勇者「…」

賢者「あの、それはそうなんだけど、その…あたし、外されるって聞いて、その…ちょっと、ホッとしたの」
僧侶「…」
武道家「…」

賢者「聞いた瞬間は頭真っ白になっちゃったけど、落ち着いて考えてみると、うん、しょうがないなって思うの」
勇者「…」

賢者「だから、気にしないで、ね?あたしは平気。みんなが魔王倒せるように、毎日祈ってるから。ね?」

僧侶「賢者ちゃん…」



勇者「本当にすまん…」
賢者「あ、謝らなくていいですよ、だってしょうがないし。あたしは大丈夫だから」
勇者「…すまん…」

新賢者「おやおやこれは、なにやらおとりこみ中のようですね」
武道家「!」
僧侶「ま、まぁ、男性でしたの?」
勇者「あ、あぁ、紹介するよ、もうダーマで転職も済ませてるけど…」
新賢者「改めまして、新賢者です。賢者になってまだ日が浅いので、ご指導ご鞭撻の方、何とぞよろしくお願いします」
武道家「…(ふんっ、チャラ男が)」
僧侶「え、えぇ。こちらこそ…」


賢者「…」

新賢者「では参りましょう勇者様。」
勇者「あ、ああ…」


賢者「…(…バイバイ…)」

ルイーダの受付「…賢者さん?」
賢者「…」
受付「賢者さーん」
賢者「…!は、はい!!」
受付「そんなところでボーっとされても困るわよ」
賢者「あ、は、ハハ…」
受付「まぁ最初は空虚感あるけど、そのうち慣れるわよ」
賢者「はい…」
受付「…控室なら、奥にあるけど、ずっと引きこもっててもしょうがないし、散歩にでも出かけたら?」
賢者「はぁ…」
受付「城壁の外は危険だから出ないでね」
賢者「…はい

賢者「…(ヒマだなぁ…これからどうしよう…)」

武器屋「ここは武器と防具の店だ。どんな用だい?」
賢者「え?あ、ち、違います。なんでもないです」
武器屋「ほかにも用はあるかね?」
賢者「はぅ…何もないです」
武器屋「ほかにも用はあるかね?」
賢者「無いですぅ(うぅ…いつもは勇者が断るからうまくいかない)」
武器屋「ほかにも…」
神官「何も用はないですよ」
賢者「あ…」
    part1 完。

> う〜ん とっても人間関係ですね 勇者がひどいような気が・・・ (6/18-19:25) No.3885
とーりすがり > いくら盗用元とHNを合わせてあるとはいえ丸々盗んだものが認められるとは。驚きです (6/25-19:14) No.3886
削除人 > 掲載元の作者が匿名ゆえに盗用であるかどうかがはっきりしませんので放置しております。これを盗用だと訴える声があり、削除を求められた場合は削除いたします。 (6/25-22:20) No.3889
> え・・・ 盗作なんですか (6/27-21:54) No.3891
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魔王の城にて 投稿者: 投稿日:2008/06/06(Fri) 22:02 No.3881 
 ここはバラモス城、アリアハンを旅立って数ヶ月、勇者達はついにここにたどり着いた・・・・のだが。
「っく!さすがに魔王の城、手ごわいな。みんな、大丈夫か?」
 地獄の騎士にとどめを刺し、勇者アルが仲間を振り返る。
「ええ、もちろん!こんな奴らにやられるわけ無いでしょ!」
 帰ってきたのは威勢のよい武道家ファイの言葉、しかし、状況はあまり良いものではなかった。
 と、いうよりは最悪に近い。
 僧侶であるリストのMPは尽きかけているし、薬草はすでに使い果たした。ところが・・・。
「よぅし、このままバラモスのところまで突っ込むぞ!」
「お〜!」
「え、ちょ、ちょっと、アル、ファイ?」
 リストが止めに入るが、満身創痍の二人は聞く耳持たずにずかずかと進んで行き、慌ててそれを追いかける。もちろん物言わぬ棺桶を引きずって。
「ん?なんか体がびりびりするが、気のせいだな」
「アルっ!その床は危険なんだよ!・・・うぅ、だめだ。僕にはこの二人を止められない」
 自身の無力さをかみ締めながらも何とか打開策を探そうとして、棺桶に目が留まった。
 あと一度、唱えられるだろうが、そうしたら・・・。
「おーいリスト、なんか広い部屋があるみたいだぞー、うわっ!エビルマージがっ」


「みんな、大丈夫か?」
 エビルマージにとどめを刺し、アルが仲間を振り返る。
「ええ、もちろん!こんな奴らにやられるわけ無いでしょ!」
 帰ってきたのは威勢のよいファイの言葉。
「だめだ、このままじゃ全滅する。アル、ファイ、いったん退こう!」
 必死に言いつのるリスト、しかし。
「何言ってんのよ、魔王はもうすぐそこなのよ!」
「魔王にたどり着いたって、倒せなきゃ意味が無いじゃないか!」
「倒すさ・・・オレ達はそのために今まで旅をしてきたんだ」
「なんかかっこいい風に言ったって、全然現実味が無いね!・・・わかった、僕も覚悟を決めたよ」


「ザオラル!」
 リストは呪文を唱えた。もし失敗したら・・・・その時はその時!
 棺桶がかすかな光に包まれ、そして消えていった。
 魔王に挑戦するにはやはり四人のほうがいいと説き伏せて、最後のMPを使い果たす事覚悟で唱えたのだが。
「失敗か?」
 そう言って、アルが棺桶に顔を近づけたとたん、ガンッ!ふたが顔面にぶつかってきた・・・いや、中の者が開けたふたにぶつかった。起き上がった人を見て、
「やった、うまくいった!」
「ルウ!」
「・・・・・・」
 二人は歓声を上げ、もう一人は鼻を押さえてうずくまる。
「うぅ、リスト、ホイミ」
「もうMP無いんだよ」


「状況は?」
 生き返った魔法使いルウの開口一番がこれである。
「もうすぐバラモスにたどり着くところなんだ!」
 えっへん、と胸をそらすアルには見向きもしない。
「リスト?」
「薬草は無し、僕のMPもキミを生き返らせたので尽きた、アルとファイの体力も、強がってはいるがそろそろまずい、どこにバラモスがいるのかもまだ判っていない」
「っな、強がってなんか無いぞ、オレはまだ元気だ!」「わたしだって!」
 体中傷や火傷だらけのくせにさらに強がる二人。
「ほらね」
 どうにかなんないのかな、この二人の性格?と、肩をすくめるリスト。
「撤退ね」
 これだけの悪条件が重なっているのだ、すぐに結論は下された。
「でもルウ、ようやく魔王の城まで来たんだ」
「魔王は逃げない、このまま戦って勝てるとでも?負けて魔王を増長させるのは避けるべきよ、というより私がやられた時点で退いているべきだったの」
「でも・・・」
「アル、あなたは私達のリーダーよ、あなたの決めた事には従うわ。けど、本当にこのままバラモスのところまでいけると思ってるの?」
「う・・・」
 アルには一度言い出したら退かないところがある、わかっていても引けないところがある、そこをうまく言い聞かせられるのは今の所ルウしかいない。だからリストはザオラルに賭けたのだ。
「わかった、一回帰ろう。もっと強くなるんだ」
 アルがこう言って、ルウがリレミトを唱えようとした、そのとき。
「あ、ちょっと待った。さっきのリストのMP切れで気づいた事があるんだ!
 いざという時のために、MPは節約したほうがいいと思う。というわけで、ラーミアの所まで呪文を使わずに行こう!」
「あの、アル?いざというときって言うのは・・・」
「だめだ、もう決めた!」
「あ〜っ、わたしも賛成!リスト今MP切れて役立たずだもんね」
「や、役立たず・・・」
「アル、‘損して得とれ’という・・・」
「いや、オレは得して得とる!」


『わわっ、動く石像が出てきたよ!』
『げっ、スノードラゴン!』
『行きはよいよい帰りはこわい〜ってやつだね』
『ファイ、縁起悪い事言わないでね』
『リスト、後ろっ!』
 これが、リストの覚えている最後の記憶になった。
「・・・アル?」
 棺桶から起き上がるとリーダーの顔が。
「あのさ、ザオラルよろしく」
 付近には棺桶が二つ。
「全滅した?ひょっとして」
「・・・うん」


「ザオラル」
「あれ〜?わたし死んでたのか」
「ザオラル」
 しかし、ルウは生き返らなかった。
 後で緊張しまくっていたアルが胸をなでおろすが、このままってわけにも行かない。
「はぁ、ザオラル」
「・・・・・・アル、‘いざというとき’の‘いざ’の意味をご存知?」
「あ・・・の・・ えっと・・・」

     完

勇者   男 頑固者 アル
武道家  女 熱血漢 ファイ
僧侶   男 苦労人 リスト
魔法使い 女 切れ者 ルウ

でお送りいたしました

> はじめまして DQ3です メンバーは違いますが 今ちょうどこのあたりをやっています コメントいただければ光栄です (6/6-22:12) No.3882
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とあるスリルな一日  投稿者:タークS・デイン 投稿日:2008/05/17(Sat) 16:56 No.3875 
カルマという子供がある村に住んでいた。
この村は誰も知らない。
なぜならここは名もなき村。
カルマは村でただ一人の勇者候補なのだ。
 
(ドコッ・・バタッ)
「今日はこのくらいにしておこうか、カルマ。」
「はい。先生。」
村の地下室を出たカルマは、短い桟橋にさしかかった。
そのとき・・・
「たすけて・・」
「??・・誰の声だ?」
(ザブッ・・)
「・・・カエル!?」
「ち・・ちがいます!
 わたしはとある国の姫なのです!!」
「し・・しかし、どうみてもあなたは・・」
「・・・・実は、悪者に魔法をかけられてしまい・・
 あ、いけない!人が来るわ!」
「え・・ちょっと・・・」

逃げたカエルをおって、カルマは村の地下室にむかった・・
「はぁ・・はぁ・・」
「どうしたの?カルマ。」
「あ・・シンシア・・・ここにさぁ、カエル来なかった?」
「カエル?わたしずっといたけど・・カエルなんて・・・
 カエルなんて・・見て・・見て・・・ぷっ・・ふふふ・・
 もうだめだぁ・・あはは・・」
「え?どういうこと?」
「実はね・・」
(ボワッ)
「あ・・カエル!」
「わたしね、最近モシャスをおぼえたの!
 だからカルマを驚かせようと思って・・
 でも、もう少し考えてからやればよかったね。」
「そうだったの・・」
「カルマのお父さんが晩御飯だって呼んでたよ。」
「わかった・・かえるよ。」

家に帰ったカルマは、両親に今日の出来事を話した・・
「ほぉ、そうか、シンシアがモシャスをなぁ・・」
「ごはんができましたよ。ふたりとも、すわって。」

「しかし、カルマよ。おまえが立派に成長して、
 そして、この村を旅立ち・・」
「ちょっと。こんなときにそんなはなししないでよ。
 カルマは一生ウチにいてくれますよ。」
(バタッ!!)
「た・・大変だ!!魔物の王が勇者をさがして・・」
「なんだと!・・カルマ!!地下室の隠し部屋に逃げろ!」
「え・・?」
「早くいこう!カルマ!」
「ちょっと・・シンシア・・」

(ドタドタ・・バタッ!)
「カルマはここにいて!」
「カルマは・・って・・・シンシアは・・」
(ボワッ)
「シンシア?・・」
「わたしがカルマのおとりになる。
 生きてたら・・またあおうね。」
(バタッ!!・・・)
「・・・・シンシア」
 
============================
はじめましてです。
DQ4の最初を僕なりにかいてみました。
おかしいところがあればコメントください。

タークS・デイン > なんだか文脈がおかしい気が・・ (5/17-17:05) No.3876
海底王 > まず、軍が攻めてくるのは序章と時間の開きがあります。そして、シンシアが出て行く前に、義理の父が主人公に出生の秘密を話すシーンがあります。(文句付けている自分が惨めなような気が・・・) (5/19-21:30) No.3878
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楽園(エデン)のその後 投稿者:海底王 投稿日:2008/04/20(Sun) 21:54 No.3870 
波は穏やかであった。
少年は甲板で作業をしていた。

少年の名前は アルス
あの大魔王 オルゴ・デ・ミーラを倒した勇者である。
勇者は世界を救い、真実を知った。
神は生きていた。
精霊は存在した。
全ての邪悪を闇に葬り去った勇者は故郷で漁師をしていた。

「ちぃ〜っす、アルスさん」
1人の船員が声を掛けた。
なぜかその男の手にはおなべのフタが握られていた。


「お帰りなさい、アルス」
母親のマーレは笑顔で迎えた。
しかし、その手にもおなべのフタが握られていた。
「かあさん。なぜ物騒な物をもっているんだい?」
アルスは訊いた。
「ほほほほほ」
笑うだけであった。

勇者は仲間の元へ向かった。
超人美少女マリベルのところへ。
そして、階段を上るところで声が響いた。
「アルスをマリベルの婿にするのはのぉ〜」
アミットの声であった。
「魔王おも屠った男よ。娘がどういうか・・・」
アミット婦人の答え。
確かに魔王は倒した。
しかし、とどめはマリベルが刺したのだと心の中で反論した。

「アルスじゃないの?どうかした?」
マリベルは応じた。
しかし、マリベルの手にはメタルキングの剣と盾が装備されていた。

勇者はグランエスタード王に会いにいった。
「おお、アルスではないか!」
王は勇者を歓迎した。
しかし、会話は大臣を通してであり、
王自身はステテコパンツを5枚重ねしていた。

次はアイラに会いに行った。
と言っても城に住んでいるのたが。
「アイラ様は寝込んでおります。」
メイドは竹の槍を装備して勇者を追い返した。
そして、帰るときであった。
「アルスは帰った?」
アイラの声。
「はい、アイラ様。」
メイドがほくそ笑む様子がアルスの脳裏に浮かんだ。
「アルスは神様さえ倒すんだから。私達なんて片手で殺されるわ。」

次はきこりと暮らすガボの元へ、
するときこりの家から
「ガボ、アルスだけにはあうんじゃねぇど。」
きこりは朗らかに言った。
「わかった、おっちゃん。アルスの手にかかったら一巻のおわりだ。」
ガボは笑いながら言う。
「ガボ、いるかー?」
アルスは問い掛ける。
「しーん」
アルスはあほらしくなった。

アルスは夜の砂浜にいた。
アルスは人々の間で破壊神に祭り上げられていた。
「アルスよワシじゃ。」
空から声が響いた。
神であった。
「そなたは、苦しんでおるようじゃな。どこかの国では、お主の首に賞金がかかっていると言う。」
「そのようですね。」
「では、そなた、この世を捨てる覚悟はあるか?」
「はて、なんのことやら?」
「おぬしは、水の精霊の血を引き、世界で唯一、シャークアイを除いて水竜の剣を扱える者。そしてこのワシに勝った。どうじゃ?別の世界で竜神となり、君臨しないか?」
勇者はためらったが決めた。
「ありがたくお受けいたします。」
「おお、そうか、そうか。では他の世界に飛ばしてやろう。さらばじゃアルス。また会おう。」
そして勇者は竜神の王として別世界に君臨したのであった。


どーも 海底王です。
Zと[を繋げてみました。

海底王 > 文才がないので幾分、文章が味気ないので、残念な限りです。 (4/28-21:47) No.3872
タークS・デイン > すごくうまいですね・・・僕はまだまだ未熟です・・ (5/17-17:08) No.3877
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城と幽霊と竜と夢見し王妃 終 投稿者:次元転移装置 投稿日:2008/04/15(Tue) 22:25 No.3869 
ドスン!!床に重い音が響く。
「きゃあ!!…グ、グレイト?!どうしたの?返事して!!」
しかし、意外な声が返ってきた。
「…あちゃあ…。やりすぎちゃったかな?グレイト、グレイト!しっかりしろ!」
フローラは耳を疑った。あの声は?まさか。いや、間違えるはずはない。何しろ今日聞いていた声である。
「その声、…あなた?」
すると、暗闇にポッと明かりが燈った。人影がはっきりと見え、その人物がゆっくりと振り返る。
「…やあ、フローラ…」
言うまでもなくリオ王本人である。
「ちょっと驚かせるつもりだったんだけど、キツすぎたみたいだ。悪いことしたなあ…」
フローラは考えがまとまらない。とにかく夫の下へ歩み寄る。
「一体どうやって?あのラリホーマは?効かなかったのですか?」
慌てるフローラにいたずらっぽく微笑みながらリオが言う。
「あの呪文はね、どうやら人間には効き目が薄いらしいよ。もっとも、一時的に完全な眠りに落ちるけどね」
「で、でもどうやってここが?誰にも内緒にして出てきたのに…」
「誰にも…本当にそうかな?」
「え…まさか、あの道具屋のご主人が…?絶対に言わないって約束してくださったのに…!」
フローラは信じられないという表情でリオを見る。
「いや、あの主人じゃないよ。話を聞いてたのは一人だけじゃなかったろ?」
「え?一人じゃないって……あ!」
犬のぺスタだ!彼(?)は話を全部聞いていた。残念ながら主人と同じ固い口を持たなかったようだ…。しかし。
「あら?あなた、動物の言葉お解かりになって?」
その時、リオの服の裾がもぞもぞと動いた。
ニュッっと手が出て足が出て…最後に満面の笑顔が現れた。
「えへへへ…」
フローラは愛娘を見下ろした。
「リューラ…。そうね。あなたなら犬の言葉がわかるわね…」
「これ、リューオ!返さんかい。オラの帽子…」
れいの帽子はもう一人の宝物、リューオに奪われていた。
「お母さんずるいや。こんな面白いところに内緒で遊びにくるなんてさ…」
「いやあ、オラもちいとも気づかんかった…。まさかリオ王が来とるとは…」

「リューオの言う通りだよ、フローラ。一人でこんなところへ来るなんて…。僕らにも言ってくれればよかったんだ」
リオは持っていたもうひとつの蜀台に火を灯し、フローラに渡した。
「でも…あなたは毎日のお仕事で精一杯ですし、子供たちにも他の方たちにも迷惑はかけたくなかったの。もし本当にただの夢なら、余計に気まずいでしょう?だから…」
そのとき、入り口の扉近くの蜀台が勢いよく燃え上がった。
次にその隣の蜀台、また隣の蜀台へ次々と炎が燈っていく。
四人と二匹を囲むように燈った蜀台の炎はやがて緩やかな淡い青色の炎に変わった。
「こりゃあ、一体何事じゃあ…?」
れいが禿げ上がった頭を気にしながら辺りを見回した。
「お、お母さん…お母さん」
リューラがフローラのドレスの裾を引っ張る。
「どうしたの、リューラ」
「あそこに…女の人が…」
リューラが指差す先、二つ並んだ玉座の一つに揺らめく光が集まっていく。
「本当だ、お父さん。お、女の人だ」
いつのまにか椅子には鮮やかな赤のドレスに身を包んだ女性がうつむいて腰掛けている。
「おい、フローラ…!」
フローラは制止しようとする夫を留め、女性に近づいた。
「ソフィア様…ですね?」
女性はゆっくりと目を開けた。
『フローラ王妃、こんなところまでお呼びたてをしまして申し訳ございません』
美しく、鈴が鳴るような声である。
『あなたの夢に現れたのも、いたずらにあなたを不安にさせてしまっただけのようですね…』
「と、とんでもない!私こそ初対面で気絶するなんて失礼なことを…!」
フローラは真っ赤になって手を横に振る。
「ねえお父さん、あの女の人、幽霊なの?触れるの?」
「気絶したって何?お母さん、あの人に驚かされたの?」
興味津々の二人の子供を見やり、ソフィアは微笑んだ。
『あなただけにお詫びするつもりでしたけれど…あなた方は切っても切れない関係にあるようですわね』
「え?お詫びって…何ですか?」
『もちろんフローラ王妃、あなたに対するお詫びですわ。一国の王妃を気絶させてしまうなんて、とんでもないことですもの…』
フローラは再び真赤になった。
「あ…もしかして、あの時の…?」
リオが前に進み出た。
「あれは僕の不注意から起きたことで、ソフィア王妃、あなたには何の原因もありませんよ」
『そう仰られると思っていましたわ、リオ陛下』
ソフィアは微笑んだ。
『ただ、どうしてもお話をしてみたかったのです、フローラ王妃。一言も会話ができずに終わってしまったのですから』
「とんでもないですわ!わたくしが…!」
「いや、あの時は僕が…」
『いいえ、私のご紹介が…』
「ううるるささーーーーいい!!!!」
部屋に甲高い二重奏が響いた。
「…!!」
三人は押し黙って声のした方向を見る。
青髪の双子が腰に手を当ててこちらを見ている。
「リューオ…」
「リューラ…?」
「みんな大人気ないよ!いつものお父さんとお母さんはどうしちゃったのさ」
リューオが首を突き出して三人を見据える。フローラのお説教のスタイルである。
「話は聞いててわかったわ。お父さんとお母さんはこのお城に来てこのお妃様に会ったのね?」
呆気に取られながらも三人は同時に頷いた。
「お父さんはお母さんにお妃様を紹介したかったけど、いきなり会わせちゃって、お母さんを気絶させちゃった」
「うん…」
「お母さんは、お妃さまが幽霊だって知らなかったから、びっくりして気絶しちゃった」
「ええ、そうよ」
「お妃様は、まさか気絶するなんて思ってなくていきなり挨拶しちゃった。そうだよね?」
『はい…そうです』
二人はかわるがわる意見を述べていく。
「じゃあこれは…一体誰が悪いの?みんな意地悪しようと思ってないのに、そうなっちゃったんだもん。誰が悪いなんて決めるのはおかしいよ!な?リューラ」
「リューオの言う通りだわ。誰も悪くなんかない。話に関係ない私たちが言うんだもん」
「…………」
「こりゃあ一本取られましたなあ、リオ王。しかしその通りじゃあ。謝ってたら切りがありませんで」
レイが漂ってきて言う。
『…やっぱりあなた方のお子様達ですわね』
王と王妃は苦笑いを確かめ合うと、二人を引き寄せた。
「そうだな…よく言ってくれたな、二人とも」
リオはクシャっと髪の毛を潰した。
双子は両親に薦められるがまま前に出てお辞儀をする。
「リューオです。こんばんは」
「私、リューラといいます。こんばんは」
「どーもどーも、オラ、レイです。そんで、あっちでひっくり返っとるのがグレイトですわ」
『あらまあ、大丈夫ですか?私がまた何か…』
「いやいや!今度はほんとに僕の責任で…。すぐに目を覚ましますから」
リオはグレイトを見やりながらあわてて弁解する。
「魔界の王が倒れ、この城だけでなく世界中から悪しき魂は消え去りました。あなた方にも本当の安らぎが戻ってきます。どうかエリック王と安らかな時間をお過ごしください」
『ありがとう、リオ王、フローラ王妃、そして二人の子供達…。あなた方が天寿を全うされたときはぜひここへ来てくださいね。待っていますわ…』
ソフィアは優しく微笑むと、やがて白いもやのように薄くなり、消えていった。
青く燃えていた炎が徐々に赤みを増し、普通の火が蝋燭に燈った。

「…ああ、恥ずかしかったわ…。まさかあのことをずっと気にかけておられたなんて…」
フローラは火照った頬を手で覆った。
「仕方ないさ、いきなりだったもんな。僕も子供のときよく気絶しなかったと思うよ」
「僕は平気だよ。だってレイを見てもちっとも怖くないもん」
「あら、レイはモンスターだもん。リューオ、一度おトイレに行くときにわざとあたしを起こしていったことあるじゃない?」
「あ、あれは…。リューラもトイレにいかないかな〜?って思っ…ごにょごにょ」
二人の掛け合いを後ろに聞きながら、リオはレイと共にグレイトにかがみこんだ。
「悪いことしたなあ。まさかのびちまうとは思わなかったよ」
「あのリオ王の顔は反則ですわ。いきなり男の顔が現れたらそりゃあびっくりしますよって」
リオはコホンと咳払いを一つして、グレイトの耳元に口を近づけた。
「ウグルルルオオオオオ〜〜ン!!」
まるで竜の大群が雄たけびをするような声である。
バチッ!体が一瞬震えたかと思うと、次の瞬間、グレイトが跳ね起きた。
目は釣り上がり、口の端からは湯気が立ち上っている。フー!フー!という息遣いに合わせ、辺りを見回す。体が引き締まり、緊張しているのがわかる。どうやら、叫び声によって本能が呼び起こされたようだ。
『……??』
殺気がないのを感じ取ったのか、優しげな目が戻り、体の緊張が解けた。
『あれ?…僕、何してたんだっけ?………!!!!そうだ!幽霊!ユーレイは?!』
「落ち着いて!グレイト!」
フローラが駆け寄ってなだめる。
『フローラさん…!うわああん!怖かったよお!』
グレイトは鼻息もすさまじく、フローラを羽交い絞めにした。
「きゃあ!ちょっと、グレイト!苦しいですわ!」
『幽霊がさ。男の幽霊が僕のほう見てニヤアッて笑ったんだよ!怖かったよおお!』
「あら…まあ…それは怖かったでしょうね…」
フローラはチラリとリオを見た。
リオはターバンを頭に巻きなおし、マントを翻した。
「さあみんな帰ろう!もうすぐ夜明けだ。早く帰らないとみんなが心配するよ」
「お父さん!私のルーラで一緒に帰ろ!」
「ちょいまち、リューラはん、オラ達はどうするんじゃ?」
「レイさん、私達はキメラの翼がありますわ」
「なんで〜?みんなで一緒に帰ろうよ…」
『あれ?…リオ、君いつ来たの…?』

騒がしい一行が玉座の部屋を出て、扉が閉められた。
部屋を出る時、フローラは奥の椅子の後ろ、暖炉の上に飾ってあったエリック、ソフィアの絵が微笑んで自分に手を振っているのをはっきりと見た。
フローラは微笑み返すと、ゆっくりと扉を閉めた。

もうすぐ夜が明ける……。





終わりです。ありがとうございました。
それにしても戦闘の無いドラクエは味気ないですねえ(笑)
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城と幽霊と竜と夢見し王妃 3 投稿者:次元転移装置 投稿日:2008/01/21(Mon) 22:52 No.3854 

「グレイト…グレイト…」
中庭にフローラの声が静かに響いている。その他に聞こえるのは虫の声とかすかな葉ずれの音のみ。
「やっぱり無理やりすぎたかしら?あの子ちょっと臆病だから……あ!」
フローラはポカっと自分の頭を叩いた。私、あの子に時間と待ち合わせの場所言ってなかったんだわ!
フローラは自分が情けなくなると同時におかしくなって笑ってしまった。
「それじゃあ来るはずないわね…何てうっかりなのかしら、私って…」
と。
チャリン…
庭の隅から音がした。
「誰?…グレイト…?いるの?」
チャリ、チャリ、チャリ、金属の音がだんだんと近づいてくる。
やがて、月明かりの下に黄金のドラゴンが現れた。首や角に十字架、手には蜀台と聖水が入ったビンを持っている。
『こ、こんばんは。フローラさん』
フローラは呆気にとられた。
「何…ですの?それは…」
『何って、魔除けだよ。祟られたりしたらこわいでしょ?』
フローラは再びクスクスと笑い出した。
『も、もう!ひどいなあ!勇気振り絞って出てきたのに、そんな笑われちゃ…』
グレイトはプーッとむくれた。
「ププ…ご、ごめんなさい…。でも、来てくれて良かったわ!私とあの人だけじゃ心細いもの」
『そ、そりゃあフローラさんのお願いだもの。喜んでついていくよ…!』
「ほう…そんじゃあオラは別に行かんでもいいかもしれんなあ…」
妙におっとりした声がグレイトの後ろから聞こえた。
「レイさん、久しぶりですわね…」
「お久しゅう、フローラはん」
後ろから出てきたのは、トンガリ帽子に丸っこい体、『ゴースト』のレイである。
「それにしても、何でよりにもよってオラが行かにゃあならんのだ?」
レイは城壁をすり抜け、上空に飛び上がって再び下りてくる。
『だってレイは正真正銘幽霊だろ?向こうもきっと安心すると思うよ』
レイはいきなりグレイトに詰め寄った。
『ワ!!』
「オラはモンスターの幽霊だ!人間の幽霊なんか気色悪うてかなわんわい!フローラはんの頼みなら断る理由もないがの…」
「さあさあ、二人とも、準備はいい?いきますわよ」
フローラはキメラの翼を天高く放り投げた。
翼はひとりでに羽ばたき、丸い空間を作りながら落ちてくる。
その中に入った瞬間、三人の体は浮き上がり、一瞬のうちの夜空へと飛び去った。

漆黒の闇におぼろげに浮かぶ城、レヌール城の前に三人は立った。
『あれが…レヌール城…』
聖水の瓶を震わせてグレイトが喉を鳴らした。
「何ともでっかい城やのう…」
「さあ参りましょう。今夜中に解決してしまわなくては、いらぬ心配をかけ続けてしまいます」
三人は朽ちた城門をくぐり、入り口へと続く石畳を歩いていく。
『リオったら、よくこんなところ子供のときに一人で来るよね。どんな理由があったか知らないけど…』
「お前知らんのか?リオ王は幼馴染の娘さんとここに来て悪霊を退治したんやで。なあ?フローラはん」
「ええ、そうですわ。ビアンカさんとね…。でも私は始めてでしたので…丁度あのあたりだったかしら」
フローラは入り口の扉の前を指差して言った。
「リオさんがいきなり誰もいないところへ話しかけたのです。一体どうしたのかと思ったら、そこからモワッっと…その…出てこられて。体が透けてるし、顔は青白いし、浮かんでいらっしゃるし、にっこり笑いかけられて…、そこまでですわ。記憶があるのは」
フローラは恥ずかしげに俯いた。
「そりゃあびっくりするわな。リオ王も人が悪い。だまっとるなんて」
『そそそそんな話しないでよう!もしかしたらもう…そばにいるんじゃないの?』
グレイトは精一杯縮こまってフローラの後ろに隠れた。
「大丈夫よ。ほんとにいい方…らしいですから。驚かすことはしないと思うわ」
三人は入り口を押し開けた。
べらぼうに広い大広間、正面に見える左右に上へと伸びていく階段が荘厳な空気を醸し出す。床は埃が積もってはいるものの、不潔な感じは全くない。
フローラは息を吸い込んだ。
「失礼します!グランバニアより参りました!ソフィア王妃にお会いしたいのですが、どなたかおられますか!」
れますか!ますか!すか…か…か………。
反響した声は何人ものフローラの叫びを繰り返し、やがて消えた。
「なんじゃい、お客を出迎えもせんのか?」
レイが漂いながら文句を言う。
「とにかく探しましょう。どこかにいるはずですから…グレイト…。ね、早く歩いてくださる?通れないんですけど…」
グレイトはのっそり首をもたげた。
『ふ、フローラさん、声出すなら出すって言ってよう…。び、びっくりしたようううう!』

一行は二階へ上がり、玉座を探す。
窓からの月明かりで廊下は青白く光っているように見える。
ゆっくりと廊下を進んでいく。
「…それにしても大きなお城ですわね。部屋数にしたらグランバニアに劣らないんじゃないかしら」
フラフラ漂いながらそこら中の部屋にすり抜けて入っているれいが戻ってくる。
「…もしかしたらその為にフローラはんを呼んだのかもなあ…?」
いきなり目の前に寄ってきたのでフローラは後ずさってしまった。
「ちょ、ちょっと!れいさん脅かさないでよ。まさかそんなこと…」
『そうだよ。フローラさんはお妃様だよ?ずーっとグランバニアにいるんだよ!ね?フローラさん!』
グレイトはフローラを持ち上げて歩き出す。
「きゃあ!グレイト、降ろしてよ。自分で歩けますわ!」
そんなことをしていると、大きな両開きの扉にたどり着いた。
「おお?これまた豪華な扉やのお。ここが玉座かいな?」
やっとのことで降り立ったフローラが駆け寄る。
「きっとそうですわ。れいさん、開けてくださる?」
「おらそんなこと無理じゃあ。わかってますやろ?こーいうことしかできません…」
そう言うと、れいは扉をすり抜けて中へと消えてしまった。
「あ、もう、れいさんたら…。さ、グレイト、扉を開けましょう」
『うん』
二人が扉を開けると中は窓のない為か、完全な闇。何も見えない。
『真っ暗だね…』
「でも、確かめないと…れいさん、どこにいるの?」
フローラは闇の中へ足を踏み入れた。
『フローラさん、危ないよ一人で行っちゃあ…ねえ』
後に続いたグレイトの後ろで扉が閉まった。
『わあ!びっくりした…。フローラさん、れい、どこにいるのさ。返事してよ!』
闇の中に呼びかける。
「グレイト…こっちよ。わかる?」
『フローラさん?こっちって…どこにいるの…あ痛!』
何かにつまづいてしまった。
『フローラさん?大丈夫?………、フローラ…さん?』
「うふふふふ…」
やけに篭った笑いが響く。
「うふふふ…グレイト…うふふふ…」
『…え?』
突然真っ暗な闇の中に明かりが燈った。グレイトの鼻の先である。
そこには浅黒い肌を持った男の顔。蝋燭の明かりか、はたまた魂の名残か、顔の下からはチラチラとオレンジ色の光。
『…ピ!!』
グレイトは驚きのあまり今まで聞いたことのない鼻音を出した。
男の顔が徐々に持ち上がり、グレイトに近づいてくる。そして頬がヒクついたかと思うと、口がぐにゃりと曲がって笑っているような顔になった。
「ッッ!!☆○◆…キュウ〜〜〜…」
魂が抜けるような声を出してグレイトはひっくり返った…。

続く



(余談)『ゴースト』は最高レベルまで上げると頼りになります
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城と幽霊と竜と夢見し王妃 2 投稿者:次元転移装置 投稿日:2007/12/18(Tue) 21:16 No.3853 
グレイト…グレイトドラゴン
ベホズン…スライムベホマズン
むさし…さまようよろい
ロビン…キラーマシン
魔物語は『』人間語は「」で表現しています。


『ユーレイだって!?』
昼下がり、明るい日差しが降り注ぐ城の中庭に声が響いた。
「シーーー!!声が大きいわ、グレイト!」
フローラが人差し指をあてて制する。
『あ、ごめん…』
グレイトが大きな体を精一杯縮めて首をすぼめた。
『で、でもさ、このお城に幽霊がいるっていうの…?』
『お前は人の話を聞いとらんのか?その夢を見たとフローラさんはゆーとるだろうが』
ベホズンが大きな冠をゆらしていつも通りの突込みを入れる。
『デ、ソノ人ヲ、ふろーらサンハ見タコトガ有ルッテイウワケダネ?』
ロビンがモノアイをぐるりと回してフローラを見る。
『ゆ、幽霊のお友達がいるの?フローラさん…』
「いえ、友達ということではないのです。どこからお話すればいいのか…。あの、皆さん、レヌール城というお城をご存知?」
「おお、存じております」
磨き上げた隼の剣を素早く振るって鞘に戻すのは、さまようよろい、むさしである。
「むさしさん…」
「何でもリオ王がご幼少の頃、そのお城に巣くう魔物を一掃し、彷徨っていた王と王妃の魂をお救いになったとお聞きしております」
『へー、そんなことがあったとは、ちーとも知らんかった』
『幽霊ッテ退治デキルモノナンダ』
「そう、その通りですわ。そして王と王妃は安らかな眠りにつかれた…はずなのです」
『で、その幽霊さんがフローラさんの夢の中に現れたってことだね?やっぱり何か言いたいことがあるんじゃないの?』
「そうえば、一度フローラ王妃もレヌール城へ行かれたことがあるとお聞きしましたが?」
むさしの指摘にフローラが苦笑いを浮かべた。
「そ、そのことなんですけど…ね?」
「?」
四匹は顔を見合わせた。
「あんまりいきなりだったものですから、私、意識が…飛んじゃって。あの後のことはあんまり覚えていませんの…」
フローラは肩をすぼめて呟くように言う。
「でも、夢の中に現れたということは、きっと何か言いたいことがあるに違いないのです。お願いです。私と一緒にレヌール城に行っていただけませんか?」
「…」
四匹は再び顔を見合わせた。
「誠に申し訳ありませんが、フローラ王妃、私共はこれからラインハットへ土木作業の手伝いに行かねばならんのです。最近川の氾濫が多くてトンネルを修復したいとの要請がありまして…」
「え…そうなのですか…?」
『心配あらへん。グレイトは残りよるけえ』
ブホ! グレイトが鼻息を噴出した。
『な、何で僕だけ行っちゃいけないの!?』
『ダッテオマエ、コノ前とんねる通ッタ時翼ガ引ッカカッタトカデ騒イデタダロ』
「心配いらんよグレイト。ただの補助要員だから。お前は残ってくれればいい」
『いや、心配してないけど、あの、幽…その…』
「それでは私共は出発しますので…グレイト、しっかりフローラ様を守るんだぞ」
『あ、いや、その…』
三匹は早々と立ち去ってしまい、ドラゴンと王妃が残された。
「…」
『…』
「…」
「ねえ、グレイト?あなたなら十分頼れるわ。お願い、一緒に来て?」
『フローラさん…僕を抱きかかえられますか?』
「…え?」
『僕が気絶したらグランバニアまで運んでくださいね』
危うくフローラはすっ転ぶところだった。
「な、何言ってるの!それより前に私が気絶しちゃうわ!」
『いーや、絶対に僕だ。それでフローラさんにも愛想つかされて、リオにも、リューオやリューラにも笑われて、サンチョやピピンや、いつも笑ってるジュエルなんかにも…ブツブツ…』
「もう、グレイトったら、しっかり…あ、そうだわ!!」
フローラはいきなり手を打った。
『な、何?』
「適役がいるじゃないの!こういう場合の!」
『じゃあ、その人を連れて行ってね!ああよかったよかった。サヨナラーー!!』
グレイトは羽ばたく風もすさまじく、城壁に躍り上がった。
「あ、待って!その人だけじゃ足りないわ!あなたも来てほしいのよ!」
グレイトは城壁に後足をかけると、尻尾を打ち下ろした反動で高く舞い上がり、飛び去ってしまった。
『…大丈夫さ、僕が行かなくても。僕、怖いもん……』
金色の鱗が見えなくなるまで、フローラは立ち尽くしていた。
「グレイト…」

ここは、城下町(城中町ともいう)の道具屋。主人が薬草の入った樽を積みおろしていると、呼び出しのベルが鳴った。
入り口で昼寝をしていた犬のぺスタが寝ぼけて大きく一吠えし、訪問者を見ると、尻尾を振り回してクンクン鳴きたてた。
「はいはい、おまっとさん…ありゃ?これは王妃様!こんなとこまで足を運んでいただいて…。何かお困りですか?」
主人は前掛けで汚れた手をふきふき、カウンターに立った。
「ごめんなさい、ちょっと他の方に頼むことでもありませんので…」
「はあ、薬かなにかでしょうか?」
「キメラの翼なんです。ありますか?」
「ええ、ございますとも。で、どちらへお出かけですか?」
主人は大きな袋をカウンターに置き、袋の口についている台帳を広げた。中には城や町、村の名前がびっしりと書き込まれており、その横に赤い印がいくつかついている。
「この赤い印のやつが今あるやつです。まあ大抵のものはありますが、カボチがいつも切れ気味でねえ。ま、あそこは行くやつもめったにいませんからねえ」
「え…と。あ、これです。アルカパ。これをいただきますわ」
「アルカパでございますね?えーと、ちょっと待ってくださいね…」
主人は袋の中をごそごそとかき回している。
「ところで王妃、一体アルカパへ何をしに?」
「え?えーと………。うふふ、隠すわけにはいきませんわね。せっかく用意してくださるのに」
フローラは微笑んで声を落として言った。
「何ですか?へへ、何かわけありのようですなあ」
主人は目を輝かせて顔を近づける。
フローラは夢のこと、幽霊のこと、レヌール城のことを話して聞かせた。
「レヌール城…あそこですか。それでアルカパへ行かれるわけですな?」
主人は腕を組みながら答える。
「ええ、あそこから一番近いのがアルカパですから…」
「そんなことなら造作もありません。レヌール城へのキメラの翼をお持ちください」
フローラは目を丸くした。
「あるのですか?直接レヌール城へ行ける翼が」
「はい。アルカパへ行く商人がついでに寄ってくるんです。たまにあそこにも旅行者がいったりするんで…」
「ありがたいですわ!じゃあそれをいただきます」
フローラは翼を受け取り、礼を言って立ち去ろうとした。
「あ、そうですわ、ご主人、このことはくれぐれも内密にお願いいたします。いらない心配をかけてしまいかねないので…」
「ご心配なく。絶対にしゃべりませんよ。あたしゃ、このぺスタと同じで口が固いんですわ。わはははは…」
「ヲフォフォフォ…」
ぺスタが主人の真似をして声を出す。
フローラは礼を言って城への道を戻っていった。

その夜

「本当に大丈夫かい?フローラ。今日の君を見てると心配だよ」
リオはベッドに横になりながら言った。
「大丈夫よ。心配かけてごめんなさい。ゆっくりお休みなさい、あなた…」
「ああ…お休み…」
リオはシーツをかぶると暫くして寝息をたて始めた。
(寝静まるまでもうちょっと待ったほうがいいわね…)
数分待ってからフローラは静かにベッドを抜け出した。
枕もとのリボンをとり、手早くかきあげて髪を止める。戸棚からキメラの翼を取り出し、部屋を出ようとした時、
「フローラ」
王妃は驚いて立ち止まった。ベッドを振り返る。
寝言…?いや、違う。リオはベッドの上に起き上がってこちらを見ている。
「こんな夜中に…どこへ行くんだ?僕は君が心配なんだよ」
フローラはこんなにも自分を気遣ってくれる夫に心底惚れ直した。しかし、この夫にこれ以上心配をかけさせるわけにもいかない。彼は彼のことで精一杯なのだから。
「君は疲れているんだよ。一度占いのお婆さんに見てもらおう。今日のところは…こんなことしたくないんだが…」
リオの手がぼんやりと紫色に光っている。催眠系呪文だ。
「あなた…私…」
「お休み、フローラ…ラリホーマ!」
リオの手から紫の光が飛び出し、フローラの方へ……ピキン!!
「え?」
琴線が弾けたような音がした。
フローラの周りの紫の煙が一箇所に集中していく。
「これは…」
リオは目を丸くした。
「…あなた、ごめんなさいね。私、どうしても行かなければならないの。あなたはゆっくりお休みになってください…」
フローラは優しく微笑んだ。
マホカンタだ、と思うと同時に、リオのまぶたがズシンと重くなる。逆らえない眠りの誘惑にリオはあっという間に落ちていった。
ベッドに突っ伏した夫を元の位置に戻し、シーツをかける。
リオは安らかに眠っている。フローラは少し微笑むと、そんな夫の口をそっと自分の口で塞いだのだった…

続く

グレイトへたれ(笑)



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城と幽霊と竜と夢見し王妃 1 投稿者:次元転移装置 投稿日:2007/12/08(Sat) 22:34 No.3852 


真っ暗な何もない空間。
何も見えず、何も聞こえないが、ここに自分がいることだけはわかる。
一体ここはどこなのだろう?
「私、なぜこんなところに…?」
グランバニア王妃、フローラは思った。
いつの間にかまた石化の呪いをかけられたのだろうか?いや、そんなはずはない。いつも通りの平和な日々、いつも通りの忙しい王宮の日々が続いていたのだから…。
と、何もない空間に無造作に何かが現れた。
近づいてみる。意識だけの移動というのか、まるで空を飛ぶような感覚。
現れたものは、人だった。豪華な身なりをした、細身の女性…、しかし、向こうを向いているので顔が見えない。
「あの…もし…」
フローラが声をかけると、女性はゆっくりとこちらへ向き直る。
肩越しにイヤリング、金色の髪が見え、顔の輪郭が…
見えてこない。まるで薄い墨を落としたようなぼんやりとした影がこちらを向いているように見える。
もっと近くに、もっとよく顔を…!
女性の顔が近づく、近づく……。

「……ラ…」
「…ローラ…」
「フローラ…!」

ハッ…?
フローラは目を開けた。
大きなシャンデリア、薄紫色の天蓋、体の下のシーツの感触がフローラの神経に戻ってきた。そして、見上げている視界に入ってくる男性の顔。
「大丈夫か?」
グランバニア国王、リオが心配そうに妻に声をかける。
「あなた…。私、また…?」
フローラは起き上がった。背中にうっすらとかいた汗が体温を奪う。
「ああ、うなされていたよ」
リオは枕もとのベルを一振りした。
すぐに扉の衛兵が顔を出し、水を頼むという王の命令に従い、持ってきてくれる。
半分ほどを一気に飲み干し、フローラはホッと息をついた。
「また例の夢かい?」
ガウンを羽織って胡坐をかきながらリオが尋ねる。
「ええ、でも起きた瞬間から全てがパッと散ってしまって、どんな夢だったかを覚えていないの…」
グラスを置いてフローラは言う。
「うーん、うなされるってことはきっと良くないことだと思うんだけどな…」
「ええ、私もなんとなくそう感じますけれども…」
「一度夢の専門家にきいてみるか?」
リオはごろりと横になった。
「ゆ、夢の専門家…ですか?一体どなた…?」
「ほら、オラクルベリーに占いのおばあさんがいたじゃないか。あの人なら何かわかるかもしれないよ」
「でも、あの方は夜しか占いをされていないでしょう?それにこんな曖昧なことで呼びつけるわけにもいきませんわ。…大丈夫。きっと何もありませんわ。ちょっと疲れてるのかも…」
リオがひじをついてこちらに向き直った。
「うん、君も一度ゆっくりと休むといい。明日はさしあたり大きな用事もない。リューオやリューラも退屈してる。遊び相手になってあげてくれ…」
リオはフローラの額に優しく口をつけると、布団をかぶった。
「お休みフローラ」
「お休みなさい、あなた…」

翌日

光の差し込む部屋に二人の子供が椅子に腰掛けている。
その前には編み物を手にしながらゆっくりと舟をこぐフローラ。
器用に編み物を落とさず、右へ左へうつらうつらと揺れている。
「お母さん、この頃お昼寝が多いわよね」
リューラが母親と同じ動きをしながら言う。
「夜にあんまり寝てないのかな?」
お手玉を器用に四つ放り投げては落とさずにリューオも呟く。
ふと、フローラが目を開けた。
「…」
「…」
何か言うのか…?
待っていると、フローラはニコリと微笑み、再び静かな寝息をたて始める。
二人は顔を見合わせた。

「そんで、オラに相談しに来たってか」
一つ目巨人ギガンテスの『ガンテス』がいつもどおりのんびりした口調で言う。
「うん。何かいい考えとか、思い当たることある?」
「お父さんは忙しいし、サンチョやピピンは何も知らないっていうから…」
二人の背丈の五倍はあるガンテスは腕を組みながらのしのしと歩き回っている。
「考え、かんがえ、カンガエ…・・うかばないいいい…」
ガンテスは頭を抱えて座り込んでしまった。
「…ところで、何でオラに相談しに来たか?」
二人は顔を見合わせた。
「悩みなくていつも気持ちよく寝てそうだったから…。ねえ?リューオ」
「うん」
「…そうか。オラ悩みない。悩みないのがなやみ。いつもマッドと悩みの話してる…」
一人の世界に入ったガンテスをよそに、双子は推理を続ける。
「やっぱりお母さんは何かに悩んでるのかしら」
「うーん、僕らにも言えない悩みなのかなあ?」

城の裏、少し奥まったところでこの会話を聞いている者がいた。…フローラだ。
「あの子達にもいらない心配を…。早くこの原因を突き止めなくては…!」
フローラは足を速め、寝室に戻った。
「でも…一体どうすればいいのかしら?当の私がわかっていないのに…」

その翌日…
例によって退屈な謁見の時間。
眠気を誘うには最高の環境が整っている、が、国の代表者たるものが謁見中に居眠りするなど言語道断!

なのだが。

『何でこんなにネムいの…?』
フローラにかつてない強烈な睡魔が襲ってきたのである。
ふとすると意識が飛んでいきそうになる。
さすがに側近も気がつき始めた。
「フローラ様…お疲れですかな?」
サンチョが呟く。
横には欠伸をかみ殺しているオジロン大臣。
「リオ王が寝かしてくれないのですかな…?」
そんな会話も流れてしまうほど謁見室の時間は気だるく過ぎていく…

真っ暗な何もない空間にフローラは浮かんでいた。
「あら…私ったらお仕事中に夢なんかみてるわ…。はやく起きなくちゃ。…でもどうやればいいのかしら…?」
と、再び空間に人が現れた。同じ格好、同じ細身の女性だ。
「あなた…あなたは一体誰なのです?顔を…お顔をおみせください…!」
近づき、声をかける。女性が振り返る…。ついに顔がはっきりと見えた。
憂いを帯びた瞳、何か言いたげに薄く結んだ唇、この女性、どこかで見たことが…!
女性はゆっくりと手を伸ばし、近づいてくる。近づく、近づく…
フローラも手を伸ばす。「そうだわ…あなた、あなたは…」
「あの時!……の…方…で……」
白い手を差し出したまま、フローラは立ち上がり、声を上げていた。
側近、楽団、そしてリオが目を丸くして一斉にフローラを見た。
「あ…ら。し、失礼しました…」
真っ赤になってストンと椅子に腰を下ろす。
「どうしたんだい?いきなり立ち上がって…」
「な、何でもないんです。ごめんなさい。あなた、すみません…」
何でもないはずないのだが、リオはそれ以上何も聞かなかった。
間違いないわ。あの方、あの顔は確かに覚えている。あの方は…!

続く


お久しぶりです。また5を書きたくなりまして、書きました。タイトルは8にしてみましたが、別に意味はありません…。

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アネイルの怪 後編 投稿者:次元転移装置 投稿日:2007/08/27(Mon) 21:15 No.3843 
クリフトのスケベー!」
マーニャがはやし立てる。
「な、何てことを!私はそんなつもりはありません!大体マーニャさんが男湯は『こっち』だって言うから…」
火照った顔をさらに赤くしてクリフトが弁解する。
ここは宿屋の地下、小さな酒場である。
一風呂浴びてさっぱりしたものたちが一杯ひっかけようということで集まっていたが、八人もの団体が半ば酒場を占領してしまっている。
「大体何であんただけまだ外で着替えてたわけ?ブライやライアンも一緒だったなら間違うはずないでしょうに」
マーニャが水割りを傾けて再びクリフトをいじりだす。
「私は…私の国では神官は祈りで身を清めてから湯浴みをするのです。ブライさんたちは先に入っちゃいましたけど…」
「お風呂に入るために身を清めてたら何のためにお風呂に入るのかわからないじゃない」
「ひ、姫様まで…」
そんないつもどおりの会話が続き、宴もたけなわ、というところになった。
「そういえばさ、さっき天空の鎧があるっていう話を聞いたんだよ」
リオが話し始める。
「ええ?天空の鎧?この街にですか!?」
一番に飛びついたのはトルネコ。少し酒が入っているようだが、その酔いも飛んでしまったようだ。
「お、落ち着けよ。ちゃんと話すから…」
リオは教会のこと、神父のこと、偽物であった事を話して聞かせた。
はあ〜。
何となく全員がため息をついた。飛びつくほどでもなかったが、そこは長旅をしている仲間たちのこと。天空の話には敏感である。
「まったく人騒がせなもんですねえ。天空の伝説を売り物にするなんて…」
トルネコは一人プリプリしている。
「ま、それはそれで終わりなんだけど、この町にはさ、…出るらしいんだよ」
リオは詩人のまねをして声を落としながら言った。
「出る…?屋台でも出るの?」
いつも通りアリーナが調子はずれな事を言い出す。
「まさか、リオ…マジに言ってんの?」
マーニャがいきなり真剣な顔で食いつく。
「屋台が出るんじゃないぞ」
「そんなこと分かってるわよ!ゆ、ユーレイが出るってワケ?」
「らしいな。町の隅に墓石をいくつか見つけたけどそこに…」
「いやあん!あたしそういうのダメなのよう!は、早く町から出ましょうよ!」
マーニャはグラスを放り出すとミネアの背中に覆いかぶさった。
「マーニャよ、そなたはこの手の話は好きかと思っていたが…」
ライアンが意外そうな目をしながら言った。
「姉さんはこの手の話は小さいときから全くダメなんです。いつもこういう話を聞いた夜は何かと理由をつけて私の布団に…」
「ミネアうるさい!怖いものは怖いの!」
「幽霊か…私より強いのかな?」
「姫様!幽霊とまで戦うおつもりで?この爺が姫様のやんちゃのせいでもうすぐそうなろうかと言う時に…」
というわけで渋るマーニャ嬢を説き伏せて八人は外へ出た。墓地への薄暗い道を歩いていく。
「そういえばこの中で誰かそういう体験をした人はいるかい?つまり『本物』を見た人は」
七人は顔を見合わせた。
「まさか。ミネアが一番近そうね?」
マーニャがしっかり腕を絡ませた妹に尋ねる。
「私?私はこういう職柄ですけどさすがに本物は…。占いは確かに異世界の力を借りると言われてますが私は別物と考えています」
そんな話をしていると墓地が近づいてきた。
「あ、ねえリオ、あれのこと?」
アリーナがはしゃいだ声を出す。
いくら夕涼み客が多いといってもさすがにこのあたりは人の気配がない。八人はぞろぞろと墓に近づき、覗き込んだ。
「見たところ何もなさそうな墓だが…」
「な、何かあったら怖いわよ!」
「文字が書いてある…。…かは…のト…スバ…リ…?なんだこりゃ」
「ふむふむ、何かの暗号かのう?どれ、この爺が知恵を絞って答えてあげましょうぞ」
ブライが近寄って得意げに目をしばたかせた…時。
「皆さん、これ、もしかして逆から読むんじゃないですか?」
ブライの憎しみのこもった目をスルーしてクリフトが字をなぞりながら言った。
「逆…。リ…バスト…のはか…。何だ、リバストの墓じゃあないか」
リオが手を打った。
「リバスト…。彼の話は伝説じゃあなかったんですか?そんな大勇者の亡骸がこんなちんけなお墓とは…」
トルネコが首をかしげる。
「何でもない鎧を伝説の宝具に祭り上げてしまうほどだ。墓を作り上げてしまったのも考えられるな」
と、ライアン。
「………」
何となく沈黙が訪れた。心なしか周りの空気が冷たくなったようだ。
「…じゃあ宿屋に帰るか…」
リオが促して帰ろうとした時、変な声がした。
「あ…が…くか…ゆ、ゆーゆーゆー、くくかか…」
クリフトが帽子と同じような顔色をしてへたり込み、中空を指差している。
「何だ?」
「リ、リオさん…あ、あそこ…」
ミネアも少し震えた声で墓の上部を指差した。
二人が指差す先…墓の上部がぼんやりと白く光っている。
八人は固まった。『まさか』
マーニャはミネアに引っ付いてプルプル震えている。
白い光は暫くもやのように漂っていたが、やがて一箇所に固まり始め、何かの形を取ろうとしている。
リオは不思議に恐怖を感じなかった。それどころかこの感じは以前に触れた事のある気配…。
光はどんどん固まり、やがて人の姿になった。髪の毛や服、腰につけた袋なども見えるようになった。
男性、青く光る髪の毛が美しい青年が八人の前に降り立った。
ゆっくりと、閉じられていた目が開く。
『懐かしい気分だ。人の姿になったのは何年ぶりだろう…』
青年が呟くように言った。その声は霞がかかったようにぼんやりとしている。
『そして懐かしい気配…。天空の…気配がする…』
青年はゆっくりとあたりを見回し、八人に目を留めた。
「あなたは…リバストさん…ですか?」
リオが声をかける。青年は目を見開いた。
『いかにも私はリバストだ。しかしなぜ私の名を…。!』
リバストは突然言葉を切り、リオのほうへ歩み寄った。
「キャアアア!やだ!来ないでよう!」
マーニャが金切り声を上げる。
『おお…おお…これはまさしく天空の盾…』
リバストはリオの持つ盾を見、リオの全身を眺めた。
『そして兜まで…。そなたは天空の者か?』
「いえ、私は…天空人ではありません。しかし今、その天空へ行くために旅をしているのです」
『天空へ…?何と。そなたらは竜の神に会おうとするもの達か』
リバストは八人を一人ずつ眺めて回った。
「そのためにはあなたが身につけていたという天空の鎧が必要なのです。鎧は今どこにあるのですか」
リオが尋ねると、リバストは再び墓の上へ戻った。
『…私はかつてこのアネイルに世話になっていた戦士だった。ある時この村が魔物に襲撃された。私はこの村にはるか昔から伝わっていた『伝説の鎧』を身につけ、その魔物たちを退けた…しかし』
リバストはリオを見て続ける。
『深い手傷を負った私はそのまま果てた。…ふふ、天空の鎧は私にとって立派過ぎるものだったようだな…』
リバストは少し微笑むと再び目を閉じた。
「でもリバストさん…あなたは鎧を身につけることができたんです。あなたも私と同じ天空の血を…?」
「さあ、どうなのかな…。私にも分からない。子供の時の記憶がないものでな…しかし」
リバストはリオの傍へ寄った。
『そなたは誠の天空人…いや、天に認められたものなのであろう。兜や盾、そして鎧までもがそなたを導いている。大丈夫。そなたは必ず導かれる』
8人は無言で顔を見合わせると誰からともなくリオの傍へ集まった。
『そなた達からは力強い光と運命の力を感じる。今の世界も何かがうごめいているようだが…それを是非止めてほしい。私が守ったアネイルの平和を乱さないように…』
リバストが墓の上へ浮かび上がった。
『さようなら。8人の勇者達よ。竜の神に会ったらよろしく伝えてくれ。又会おう…』
リバストは優しく微笑むと、霧が晴れていくように影が薄くなり、やがて消えてしまった。
「…」
8人はしばらく立ち尽くしていた。無理もないことだが。
「…結局、剣と鎧のありかは分からずじまいでしたな」
ライアンが呟く。
「大丈夫ですとも。リオさんは必ず見つけます。いえ、導かれますよ!」
トルネコが明るく言う。皆、そう考えている。大丈夫だとも。そう、大丈夫…。
「さあ、みんな、宿に戻ろう。もう一日ゆっくり休んで出発だ」
リオが促し、8人はもと来た道を歩き出す。
「きゃあ!幽霊見ちゃった!どうしよう?ねえ、ミネア!どうしよう?」
「どうしようって、どうすりゃいいの?」
「た、祟られたり取りつかれたらどうしようって言ってんの!!怖いよー!」
「何言ってんの!リバストさんを見たでしょう?彼は美しい魂よ。取りつかれるなんてとんでもない!」
そんなやり取りをしているうち、宿屋が見えてきた。
「とはいえワシにもちょっとこたえたのお。幽霊に会うとは…」
「こ、今夜眠れるでしょうか。怖くはありませんでしたけどあの姿が目に焼きついてて…」
クリフトが情けない声を出す。
「強そうだったわねえ!パワーは大したことなさそうだけど色んな特技を持ってそうだったわ!」
アリーナは別の意味で眠れそうにないようだ。
「でも………」
マーニャがいきなり立ち止まった。皆が真剣な表情をして彼女を見る。
「彼、けっこういい男だったわよね」
宿屋が傾いたような気がした…。





はい。リバストですね。彼は一体何者だったのでしょう…。ゲーム中でも結局明らかになりませんでした。
まあ勝手に妄想させていただきました。
何回も言いますが、4の人物達の元気と賑やかさが羨ましくてしょうがない。彼らに会うためにまた続きを書こうと思います。
ありがとうございました。

空佳 > 初めまして。男性陣が特に面白かったです。後編の頭の辺りが一番笑いました。中途半端になっていただけに記憶から抜け落ちていて懐かしかったです。 (9/9-17:21) No.3845
次元転移装置 > 空佳さん>有難うございます。やっぱり神官君はいじられキャラです。格好の相手ですからね。特にマーニャ嬢には…。ゲームでは1エピソードの長さすらない場面ですが、私は印象に残っていました。5でもコドラン(リザードキッズ)の名前に使われていたので嬉しかったですね。 (9/16-16:33) No.3849
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