ドラゴンクエスト3
ドラゴンクエスト3小説ー黒胡椒を求めて
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著作者:異界探訪
Kira’sQuest徹底攻略広場 ドラゴンクエスト3
 「おお、そちが旅の商人か。早速じゃが、バハラタまで行って黒胡椒を買って来てくれぬか。金は幾ら使っても構わん。そちの帰りを、楽しみに待っておるぞ」 とまあ、こうして私はポルトガからバハラタまで、黒胡椒を買う旅に出た訳です。

 そもそも私は、ただの旅好きな商人でした。ここポルトガに立ち寄ったのも、港町と言えば貿易が盛ん。つまり珍しい品物が手に入るかもと、そう考えたからなのですが。まさか私自らが、珍しい黒胡椒を買付けに行かされるとは。いやはや、これだから旅と言うのは面白い物です。 ともかくも、取り敢えず私は王様に戴いた支度金で、旅立ちの用意を整えるために市場へ向かいました。流石は貿易の国ポルトガ、私の持っていた装備より良い物が揃いました。鉄の斧に鉄の鎧、そして鉄の盾。しかし残念ながら兜に関しては、これまで被っていたターバンをそのまま使うしか無い様ですな。次に旅の必需品である、薬草と毒消し草を買い込むと、いざ私はポルトガを出発したのです。 ポルトガからロマリアまでは、大した事はありませんでした。何せ私がポルトガに辿り着いた道を、ただ逆行すれば良かったのですから。ただ、ポルトガ周辺のデスフラッター、あれは頂けませんな。あの執拗なまでの2回攻撃には、手を焼かされました。ドルイドのバギも相当な物でしたが、幸いロマリアとの関所までの道は短く、大した数には出会いませんでした。そんなこんなで、ロマリアへと戻って来た訳です。 この前来た時には、とにかく早くポルトガへ行きたくてろくに見物もしてなかったので、しばしロマリアの国を見て歩くことにしました。なに、少々のんびりした所で、バハラタは逃げませんからな。取り敢えず宿を手配してから、私はお城に行ってみる事にしました。それにしても、時間と言うのはただ流れている訳では無いもので。私がポルトガに行っている間に、アリアハンから来たと言う勇者様が、何とこの国の王様をやって行かれたとか。いつの間にやら宿屋の名前が、王室御用達の宿「ホテル・ロマリア城」に変わっていたのには驚かされました。 お城に行ってみると、やはり勇者様の話を聞かされました。何でもたまたま通りがかった際に、国王の悪い癖が出たとかで。先代の国王、つまり今の王様のお父上ですが、あのまま勇者様が国王をやっていた方が良かった、なんて言う始末。いやはやロマリアの国王とは一体……。まあ、気さくで良い王様なんですがね。私の様な旅の者にも、気軽に城内見学を許して下さるし。まあ、流石に私にまで王になれとは、言いませんでしたけどね。いやぁ、なれるものなら私も一度王様になってみたいものです。

 さて、翌朝ロマリアを発った私は、バハラタに通じると言われる洞窟を目指して東に行きました。この辺りへ来るのは私も初めてで、やや緊張しました。何せ、見た事も無い様な魔物が襲って来るのですから。キャットフライに暴れ猿、特に暴れ猿には肝を冷やしました。痛恨の一撃は食らうわ、仲間を呼んで取り囲むわ。一瞬の隙を突いて逃げ出さなかったら、今ごろ私は彼らの晩のおかずにされていた事でしょう。幸い洞窟の中までは、魔物達も追って来なかったので一安心です。 ホビットのノルドは、ポルトガ王の依頼の事を告げると、快くバーンの抜け道へと案内してくれました。ホビットと言うのはエルフと違って、なかなか気立ての良い種族の様ですな。旅の疲れを癒すために、私にホビット族に伝わるお茶を御馳走してくれたのです。なんとも不思議な香りのするお茶で、たちどころに全身から疲れが消えて行きました。すっかり気分の良くなった私は、事のついでに尋ねてみる事にしました。どうして、ポルトガ王と仲が良いのかと。すると、人間は余り好かないが、ポルトガ王は心が純粋なので気を許しているのだとか。何と言うことでしょう。どうやら私も、王の依頼の事が無ければ、こうしてお茶を飲む事も出来なかった様です。 ノルドに別れを告げた私は、一路バハラタを目指して出発しました。ノルドによれば、バハラタはもうすぐそこだとか。しかし途中の道は殆ど森か山しか無いので、魔物達には要注意です。と言ってるそばから、私はデスジャッカルの群に遭遇してしまいました。マヌーサで目をやられ、更に仲間を呼ばれて生きた心地がしませんでした。とにかく盲滅法に斧を振り回しながら、私はその場を駆け抜けたのです。どこをどう走ったのか、気が付くと森を抜けていました。既に陽が落ち辺りは真っ暗でしたが、どうやらそれが幸いした様です。遠くに街の明りが見えたのですから。 ようやくバハラタに到着した私は、取り敢えずその日は宿に泊まる事にしました。こんな時間じゃ、店も開いてませんからね。とは言え、隣の部屋の奥さんの歯軋りの酷かった事。なかなか寝つけませんでしたよ。ともかく翌朝宿の主人に胡椒の店の場所を聞き、念願の黒胡椒を手に入れる事が出来ました。ついでに気を利かせ、ポルトガとの胡椒貿易を取り付けておきました。これでポルトガ王も、もっと楽に黒胡椒を手に入れられるでしょう。グプタと名乗った青年も、思いもよらない事に大変喜んでいました。そうして聖なる流れで身を清めた私は、再びポルトガに戻る事にしました。そうそう、街を出る前に防具の店で、良い買物をしました。魔法の盾、鉄の盾よりも守備力が高く、尚且つ呪文攻撃からも身を守れる優れ物です。これの御蔭で、帰り道は少し楽でした。ハンターフライのギラや、バンパイアのヒャドは厄介ですからね。

 さて、どうやら苦難に満ちた今回の旅も、そろそろ終わりが近付いて来た様です。しかしながら王様から戴いたお金には、まだ多少の余裕がありますね。生き掛けは立ち寄らなかったアッサラームの街に、足を伸ばす事にしましょうか。丁度着いたのが夜で、名物のベリーダンスが見れました。いやぁ、ビビアンちゃんは最高ですなぁ。いやいや、年甲斐も無くはしゃいでしまいましたが、それより何より宿へ向かう途中で、怪しげな少女に呼び止められてしまいまして。「ぱふぱふ」と言う言葉の魅力に引き寄せられた私は、ついつい手を引かれるままに一軒の家の2階に上がり込んでしまいました。それにしても、まさか「ぱふぱふ」があの様な物だったとは。世の中広いですな。 そこからは、ポルトガまで一気に戻ることにしました。双六場や格闘場など魅力的な場所は多々ありますが、それらはまたの機会にしておきましょう。流石にこれ以上待たせるのは、忍びないですからね。さてさてポルトガの国王様、私の持ち帰った黒胡椒を大層気に入られた御様子。しかも私が貿易の話まで付けて来た事を知ると、そなたこそ真の勇者じゃ、褒美に船を与えるぞ、なぁんて。びっくりしてしまいました、私の様な者に船まで下さるとは。ふと側にいた兵士が笑いを堪えているのに気付いた私は、何が可笑しいのかと聞いてみました。するとこの王様、以前黒胡椒を持ち帰った勇者様にも、全く同じ事を仰ったのだとか。いやはやノルドの言った通り、本当に純真なお方です。 ともあれ私の懐には大きすぎるので、船は遠慮申し上げておきました。代わりに充分過ぎる程の褒美金を戴いて、私はまた当ての無い旅に戻る事に致しましょう。さぁて、今度はどこに行きましょうかねぇ。黄金の国ジパング、地球のへそ、果ては竜の女王の住まう城。世界には、まだまだ冒険の誘いが満ち溢れている様です。

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