ドラゴンクエスト3
ドラゴンクエスト3小説ーじじい物語6 後編
(6/10)
著作者:ニケ
Kira’sQuest徹底攻略広場
ドラゴンクエスト3
アレフガルド。この世界には陽の光さえ届かない。
辺りを覆う漆黒の闇。延々と続く夜の世界…。
「キメラ狩り」。キメラを殺し、翼を奪うハンター達の乱獲
によって、キメラの数は減りつづけていた。そして、ここで
も、今まさに、キメラの親子の命が消えようとしていた…。
「ぐへへへへ。たまんねえぜえ。これで9000Gかよお。
ぼろもうけ、ぼろもうけだぜえ。」
キメラはもえさかる火炎を吐いた!
「そんなものが効くと思うのかあ?人間様をなめんじゃねえ。
ドラゴンシールド、ドラゴンメイル…。装備には金かけてん
だよ。世の中、金よ。そして、オレ様は金を持ってる。オレ
様は最強だああ。死ねえ!!」
「やれやれじゃて…。」キメラの親子とハンター達の間を隔
てるように、炎のブーメランが地面に深々と突き刺さる。
「なんだてめえはあ?野郎どもやっちまえ!!賞金をだすぞ
お。金はあるんだあ、金はよお!」
「君らはわしのチェーンの中には入れないよ…。」
チェーンクロスがじじいのまわりを包み込むように
幾段にもわたって旋回する。とぐろを巻き、敵を狙う大蛇の
様に。元ロマリア王が思わずつぶやく。
「ねびゅらちぇーん、じゃ。ここからでも、やつの小宇宙
(コスモ)のすさまじさが感じ取れるわい。」
ハンター共にチェーンクロスが襲いかかる。
自慢のドラゴンメイルをあっという間にバラバラにされ、
裸で逃げていくハンター達。
「束縛する中指の鎖(ちぇーんじぇいる)!!」
ハンターの親玉をピンポイントで捕らえるじじい。
「助けてくれえ。金は、金はだすううう。」
「くさい息を吐くのはそれぐらいにしておけ。」
親玉に元ロマリア王の往復ビンタが炸裂する。
「ひいいーっ。やめてよしてやめてよしてやめてよしてやめて
よして…。」
「これからは土を耕し、作物を育て、つつましやかに暮らす
ことじゃな。」
「…あ、あのう。アレフガルドには日は差しませんぜえ。」
「・・・。屁理屈をぬかすな!」(ギロリ)
「へ、屁理屈って…。」
ポイッ、と親玉を遠くに投げるじじい。親玉は星になった。
「まずは土じゃ。土を育てるのじゃ。」じじいの心は温かい。
モンスターの言葉も少し解するじじい。
キメラの親子に別れを告げる。
「そうか、おぬしたちは森に帰るのか。…キメラの森へ。」
「キメラの森か…。なんかロマンチックね。」
帰っていくキメラ達。
「鶴がねえ…ゴニョゴニョ…自分の羽を抜いてねえ…ゴニョ
ゴニョゴニョ…。」
何故かイシスの女王が帰っていくキメラ達に
「鶴の恩返し」というお話を教えていた…。
アレフガルドを進むじじい一行。そんなじじい達の前に最強
最大の敵が立ち塞がる!呪文の詠唱を始めるイシスの女王!
「黄昏より昏きもの 血の流れよリ紅きもの…。」
イシスの女王が詠唱をストップ。どうやら少し間違えたら
しい…。気を取り直して、再び詠唱を再開。
「三界に満ちる炎の精霊。煉獄を統べる炎の王よ。
我汝の忠正なる僕。我願わん。魔を焼き尽くす地獄の業火。
我求めん。虚空を焦がす魔界の焔。汝現し世にその力を示せ…」
イシスの女王の周りの空気が震えだす!
「我使わん。禁忌の呪法。我唱えん。混沌の言葉…!!」
「メラ(プチ・バージョン)!」
イシスの女王の指先に小さな小さな種火が現れる。
たき火に火がついた。
恐るべきはじじい達の最大の敵「寒さ」である。
「腰が痛むわい。」
じじいは魔法の法衣の下は布の服一枚であった。
いつのまにか、ぬいぐるみに着がえているイシスの女王。
「あたたかそうじゃのう。わしにもそれ…」
「ありません。」イシスの女王、即答。
「ところでさっきの呪文の詠唱じゃが…。」
「特に意味は無いわ。デタラメ。ほら、わたしのメラって
それはもう凄いじゃない?ここら辺一体が火の海になっち
ゃうわ。でも、わたし手加減って苦手なのよねー。」
首肯するじじい二人と熊一匹。かまわず続けるイシスの女王。
「まあ、精神集中の意味合いの方が強いかな。炎を小さくす
るための。でもまあ、結果的に、狙いどおり火の球が小さく
なるように、メラをアレンジできたんだからいいじゃない。」
「呪文の威力を弱めるための詠唱か。つくづくお前さん
はすごいのー。」
火を囲み3人+一匹が談笑する。
「わ、わし、孫に『じっちゃんの名にかけて』って言っても
らうのが夢なんじゃあ…。」「もう、じじ馬鹿ねえ。」
「ワーッハッハッハ」
かけがえの無い仲間。平和な日常。じじい達はしたたかに
酔った。
しかし、あのデタラメな呪文の詠唱はメラに違ったアレンジ
を加えていた…。恐るべきイシスの女王の魔力…。
『メラ(プチ・バージョン)』発現時、イシスの女王の手元
に現れたような種火が、同じ森の他のいろんな地点に
ざっと3000個ほど同時に現れていたのを知る者は
いない。
その数日後、ラダトーム地方で原因不明の大規模な山火事
が確認されたという。人々は大魔王ゾーマの圧倒的な力に
恐怖した…。
〈今回の結果〉
○じじい達―軽い火傷(全治3日)
○ラダトームの消防隊―重軽傷者多数
○キメラの森―全焼
TO BE CONTINUED